電刃練気について

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初めに

 

こんにちは、ViruSです。新環境に突入 + 長きにわたって我々を苦しめ続けた様々な極悪非道なカードがスタン落ちするということでウッキウキでアップデートをスタンバイしてたのですが、現状だとものすごくガッカリしています。なんだろう、好みじゃないです。

 

成長や目覚めと違って、証拠シナジーがあんまり強くないんですよね。まだ1日しか経過していないので僕の研究不足が原因だとは思いますが、インパクトが足りない。新鮮味のある環境であって欲しかったです。

 

さて、オンライン予選に向けて急ピッチで記事を作成しているので早速本題に入ります。今回は皆さんが大嫌いな電刃練気リュウについてです。解決ボタンを押すだけの作業になりがちなので、対戦していて面白みがないことや、相性的な問題で無理ゲーを押し付けられたりと方々からヘイトが向けられています。しかし、嫌いなデッキだからこそ知っておくべきだと僕は思います。物事の勝敗において知識的な要素の占める割合は大きいですからね。知った上で文句を言いましょう。

 

構築と新要素

 

まず、このデッキがどの様なものであるかを解説します。

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デッキリストはこちらです↑

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少しずつ調整を加えながら、大体100勝分くらいはこのデッキを使いました。僕の記憶が正しければ、電刃練気の到達pt数ではTime Rockerさんに次いで世界2位、日本人だと1位だったと思います。よって、このデッキの扱いには長けていると思いますので、それを踏まえた上で解説をご覧になっていただきたいです。

 

部類で言えば「バーンデッキ」と呼ばれるもので、アクションを主軸として敵のライフを削っていきます。このデッキの基礎打点は20点です。

不意打ち × 3 = 6

ベッドショット × 3 = 9

エージェントの記憶 × 1 = 5 (2)

この20点にアーツで打点を上乗せしたり、証拠やユニットの効果を駆使して火力を増幅するイメージです。

 

今弾の電刃練気のキーカードを順に解説します。

 

歴戦のエージェントレオン

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このカードは強大なユニットを除去したり、体力の少ないユニットの群れに向かって投げつけバーンダメージを稼ぎます。基本的には後半まで手札で温存&電刃を複数回付与してフィニッシャーとして運用します。プレイ時効果がとてつもなく強力なので、対電刃戦において最も警戒するべきカードと言えます。

 

このカードのおかげで基礎打点の20点から大幅に増幅が見込めるんですよね。電刃が2回付与されていたとして、相手の3面を焼けたとすると、顔に4 × 3 = 12 点入ることになります。ヤバいでしょ?このカードを警戒し展開することを躊躇してしまう=MP的な余裕を与えてしまいロングゲームになるので、結局電刃側が有利に試合を進めることになります。故に、このカードは切り札でもあり、抑止力でもあるんですよね。

 

でも必ずしも後半まで温存するかと言えばそれはNOで、こいつって臨戦持ちなので相手がMPカツカツの場合は中盤に盤面除去からの顔面突撃とかもやります。要は多様な使い方ができる優秀なカードで、電刃以外でも採用されています。

 

告知ポスター

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AVPにて追加された害悪カード、このカードが電刃を流行らせたといっても過言ではありません。単純に1コストで2点を与えるという効果がメモリーの観点から見ても、レスポンスを誘うという観点から見ても強いのに、条件付きではありますが2点バーンが付いてきます。課せられた条件も軽いので、お手軽なバーンの予備ストックといった印象です。

 

後述するタイホくんを先に展開していないと余剰効果が発動せず、マシンガントークを優先するべき状況というのが必ずあるので、期待値的には2回突きつけれれば御の字かなといったところですね。全て消費出来れば 2 × 3 = 6点分が基礎打点の20点に上乗せされます。

 

突きつけることが出来れば盤面とライフの両方に干渉ができるので、電刃付与の優先度が高いです。また、イラストがイラつく仕様なのでこれでリーサルを決めると相手が嫌な顔をします。

 

タイホくん

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イラストかなり好きです。プレイ時に証拠を4つ獲得してくれます。3積みしてあるので証拠は合計で12コ、マシンガントーク×3 告知ポスター×3 で総消費証拠数が12で丁度です。タイホくんがデッキの底に埋まっていたりすると全ての証拠を消費できないので、マシンガントークを減らすべきだとは思いますが、新カードなので多めに採用しています。

 

このカードは単純に証拠を集めることだけが役割ではありません。注目するべきはこのユニットが動かないケツデカだということ。自身が動かない=交戦回数が半減することなので1レーンの攻撃をブロックする時間が増えます。俊敏持ちの管キツネであったとしても、このユニットを突破するには20秒必要で、ヒーローに攻撃を当てるには25秒以上必要になります。MP換算すると7.5MP分の働きをしてくれるので、時間稼ぎの壁として本当に優秀なんですよね。また、戦国最強本多忠勝の様なアクションでは処理できないユニットのシールドを交戦して剥がすことにより、レオンで処理することが可能になりました。卑弥呼以外の回答が増えたことは喜ばしいですね。

 

このユニットをアクションで除去しようとするとレスポンスで2MPもらえるので、証拠を4つ稼ぎつつMPアドを取る仕事をしてくれるんですよ。本当に優秀なカードだと言えます。勝敗に直結する働きをするので、初手から持っておきたいカードです。

 

マシンガントーク

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僕は逆転裁判を知らないので、このカードを見た時にヒラリーっぽいなと思いました。効果がものすごく強力で、細かいダメージを複数回与えるという待望の新カードです。つきつけることにより6回1打点を飛ばせます。その各打点に電刃のバフや太陽神の効果が上乗せされるので、12点や18点を出せる恐ろしいカードです。メモリーを貯める必要がなく、タイホくんを先に出しているだけで強力な除去カードと化します。前準備に必要なのが3MPなので、1回目の電刃の付与先として優秀です。

 

また、電刃が苦手とする3ダメージ以下を1点にする大盾や、オロチや真田幸村といったユニットに対して、卑弥呼以外の回答が用意できたという点が本当に素晴らしいなと思いました。このカードは強力な一点の処理を得意とするカードであり、かつての電刃の弱みを補ってくれるカードです。緑単相手でもシールドの上から打点を叩きつけることが出来るので、このカードの登場により一点突破という戦い方が難しくなりました。

 

加えて、このカードは対象選択アクションなのですが、その範囲が相手に限定されていませんので、電刃ミラーやアクション軸を相手にする際に手札詰まりの解消となるカードなんですよね。そこが本当にお気に入りポイントです。一太刀のない今、交渉決裂と同様に卑弥呼の自壊札としても活用できます。

 

構築についてはこんな感じです。次はプランについて話していきます。

 

プランについて

前述した通りアクション軸のバーンデッキであり、ユニットはその補佐的役割を担います。レオン以外のユニットは全て防御札と言えるでしょう。

 

基本的にはバーンアクションで敵のHPを削っていき、足りない部分をレオンが補う形だと認識してもらえればとりあえずOKです。まぁアクションだけで削り切ることもできますが、相当試合が有利に運ばれている場合に限るので稀有なケースですね。

 

先ほど述べた基礎打点の20点+告知の期待値である4点とレオンの最低保証の2点を合わせて26点。このデッキの総MP数がアーツチャージ効果を含めると84あり、電刃の消費APが15ですので最大5回発動できることになります。試合展開やデッキ相性や回り具合によって大きく左右されますが、相当上手く回った場合50点を超える打点を叩き出せます。期待値的には40点前後が妥当なのかなと思いますが、それでも電刃練気にロングゲームを仕掛けることは対策を組まない以上は得策であるとは言えませんね。

 

電刃練気はその悪評からただアクションを連打するデッキだと思われがちなのですが、その実めちゃくちゃ繊細なデッキなんですよね。自分が今何枚バーンを消費していて、デッキにはあと何枚残っていて、出せる最高打点は何点なのかといったことを頭に置きながらカードを切る必要があるんです。適当にプレイしている電刃とそうでない電刃の差って本当に大きくて、カードの切り方も全然違うんですよね。

 

試合序盤はまずメモリーを貯めることや、証拠を集めること、APを貯めながら処理手段を蓄えることを意識してアクションを切っていきます。

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かなり理想的な初手がこれです。喧嘩拳の様なメモリー関係なく雑に切れるフリーアクションと、ヘッドショットの様なAPを貯めることのできるカード、壁役となり後半戦へ投資してくれるタイホくん。

 

僕はヘッドショットのことを3打点稼ぐカードというよりは5AP稼いでくれるアクションだと認識していて、序盤に切って初回の電刃発動の時間を短縮する役割を果たします。基本的にヘッドショットは電刃の付与先ではなくて、電刃付与の選択肢と回数を増やすための布石です。その為、序盤のレスポンスでは不意打ちではなくヘッドショットを優先的に切ります。ヘッドショットに電刃を付与したとしても変わる打点は1打点のみですが、その他の除去アクションや告知ポスターなんかは1打点以上の期待値が見込めますからそちらを優先するべきです。後半戦ではレオンで盤面処理+捕食ケアで即バーンがよくやる決め手なので1コスト軽い不意打ちや告知ポスターを残しておきたいんですよね。

 

試合序盤でヘッドショットを撃ちAPを貯める、喧嘩拳やタイホくんなどのテンポロスの少ない札で盤面をいなすことが出来ればこちらのターンが来るといった印象です。基本的に最初の10MPは、被害を抑えて電刃付与に繋げることを全力で意識します。ハンドが思うように回らない際は、電刃付与した後の展開を思い描いて、被害を最小限に抑えつつ挽回の札を虎視眈々と準備します。

 

電刃練気が最も苦手とし、隙が大きいタイミングがまさに最序盤の攻防です。ここで大きく差をつけられないようにすれば徐々にその差は縮まっていき、後半になるにつれて電刃側のハンドが潤沢になっていきます。それ故、相手がアクションを返さざるを得ないアクションの切り方や、アクティブレスポンスで獲得できる2MPを活用していく必要があります。ここで完全に主導権を握られてしまうと後手に回って対応を強いられ、やりたいことが全くできなくなるのでかなり勝敗に直結する分岐点です。電刃戦においては、序盤を制したものが試合を制するといっても過言ではありません。

 

ミラーを除いて、初回の電刃の付与先は敵の盤面に干渉するアクションを豊富に含んだ5枚に絞ります。優先するべきは大噴火やマシンガントークといった多段ヒットするアクションです。恩恵の少ないアクションに関しては、よほど状況が悪くない限り厳選してください。バーンも含んでもいいですが、2枚以上だと中盤戦の粘りに支障をきたします。

 

ここで蓄えた電刃が付与された除去アクションを小出しで使っていくと、中盤線になって盤面的かつMP的な余裕が生まれます。ここにきてようやくバーンに電刃を付与してリーサルの計算に入ります。AP15貯まったらすぐに付与するのではなく、中盤戦以降は本当に必要な札に厳選して電刃を複数回付与していくことが大事です。この際、バーンにオールインしてしまうと捕食等の延命手段の妨害が難しくなりますから、手札や盤面の状況と応相談ですね。こればかりは対面と序盤のやり取りに影響されてしまい分岐点がたくさんあるのでテンプレートはありません。感覚でやっています。

 

後半戦はレオンでのリーサルプランを組みつつ、敵に隙が生まれた際や裏目がない状況で一気に貯め込んだバーンを解放します。それ以前に回復をされた場合は残りダメージ数を計算して徐々に削っていきましょう。また、どれだけ盤面が負けていようが、ライフ差があろうが先に敵のライフを0にした方が勝利するので、自分のライフをMPに変換する「肉を切らせて骨を断つ」戦法が電刃練気では特に重要になります。

 

これを応用した、敵をあえて破壊せずに体力が低い状態で放置する→複数回電刃を付与したレオンで一斉に処理して確実にリーサルを狙うといったプレイングがかなり重要です。その為、相手のハンドをある程度予測することも必要になってきますので、手札を腐らせるような立ち回りを心がけると良いでしょう。また、敵が出してきた全てのユニットに対応する必要はなく、そのユニットが自陣にとって脅威であるかどうかを天秤にかけて処理するor放置するといった選択をします。例えばドスフロギィなんかは変に触って攻撃を上げられるよりも1レーンのDPMを下げた方がいいですよね。

 

と、ここまでがザックリとした試合の流れと僕が電刃を握る際に組んでいる大まかなプランです。かなり変則的で、1回のプレイングミスが負けに直結するので、一挙手一投足しっかり考えて何を切るべきなのかを考えないといけません。

 

ケアするべきポイント

現環境ではスタン落ちの影響によりかなりの良カードがおさらばしてしまいました。「解放への一太刀」もその一つです。赤対面で一太刀をケアする必要がなくなったので、回復手段のない赤単は30点削り切ることを考えればいいのですが、一方でこちらの最大体力値も減少している為、エージェントリーサルを考えないといけません。よってこちらが食らえるダメージは24点が限界ですので気をつけましょう。

 

黒対面ではやはり捕食を通されてしまってリーサルラインが遠のく、或いはそもそも打点が足りない事案が発生してしまうので最大限ケアするべきポイントです。1回捕食を通される程度なら大丈夫ですが、2回以上通されてしまうと相手が上手ければレオンでの大打点をケアされて、削りきれなくなります。その為、3面展開時に拘らず、2面展開時でも積極的にレオンを投げてしまってもいいです。捕食を通させないために、マシンガントークに電刃を付与して単体を狙い撃つ用意をしておきましょう。

 

緑対面ではお嬢様かりんがスタン落ちしたので、ユニットの正面に卑弥呼を置くとだいたい起動してくれます。空き盤面に置くと、ツィツィされてしまうので要注意。卑弥呼は本多の綺麗な回答であり、高スタッツ盤面一掃の要なので、慎重に切るタイミングを見計らう必要があります。また、復興の夢をシールド持ちのユニットに撃たれたり、回復アクションやユニットの回復効果によって延命されることが多々あるので、序盤に雑にバーンを切ることは控え、丁寧に打点を確保する必要があります。緑多面で最も重要になるカードがマシンガントークなので、電刃を付与し緊急用にキープしておきましょう。

 

対策

んじゃ、このデッキにどうやって勝つねんって話ですよね。前述した内容にそのヒントというかほぼほぼの答えは書いているのですが、大きく分けて3つあります。

 

① バーン圏外へ逃げる

② 序盤で圧倒的な差をつける

③ 物量で勝つ

 

この3つです。まず1つ目から解説します。

 

電刃練気はアクションとユニットの効果で戦うデッキなので出せるダメージに限界値があります。(少なくとも僕のリストでは)それを超えると、後はレオンで直接叩くしか方法はなくなるので守り切るのが容易になります。デッキの回り具合と対面の練度にもよるのですが、適当に回してると40点出すのもしんどいです。ですので回復を積んだり、顔シールドで大打点を防いだり、後半ではレオンをケアして1面展開しかしないなどをしてリーサルを逃れるという方法があります。これを一番意識するべきは黒単ですね。

 

電刃練気は複数展開時に単体にピンポイントで7点以上を出しにくいです。手段としては、一度電刃を付与した筆調べや、マシンガントークでの対応になるので、メモリーのカウントや証拠のカウントをしていれば通せるタイミングを見計らうことができます。ここが捕食の通せるタイミングです。また、捕食を通せなくとも早期に呪いの抽出に繋げるなどすればあっさり勝てます。実際嘆キ対面や黒単はケアポイントが多く楽ではありませんでした。

 

圧倒的な差を序盤につけるコツなのですが、極力アクションは返さないようにしましょう。電刃練気視点で見ると、決め手でもないアクションに余計なレスポンスをしてくれる行為が本当にありがたいです。これにより実質的な消費MPは低いにも関わらず、APが貯まり、メモリーも稼げますので中盤戦以降での戦いが非常に楽になります。それをさせない為にも、序盤はアクションを返すことは躊躇った方がいいです。また、今の電刃練気はマシンガントークの影響で点の処理に長けていますので、中途半端に強いユニットを作るよりも、そこそこ強い面展開の方がよっぽど嫌です。卑弥呼があれば解決しうるのですが、それでもキツいので、痛いところをついていきましょう。

 

また、強すぎる点に関しては処理できません。その代表格がガムートです。初手ガムート出された瞬間に、相当な良ハンドでなければ詰みが確定します。どうせ作るなら手のつけようがない一点で突破しましょう。初手ガムートの対策として初手ミツルギのプレイ時8点があるので開幕シールド付与とかいいかもしれませんね。一太刀のケアをする必要がありませんから。

 

物量で勝つことは意外と簡単だったりします。例えばスピリット嘆きや混色アグロですね。処理しても次から次にユニットが出てくると処理アクションが追いつかず、バーンを吐く隙が生まれます。その間にまた展開されたり、管キツネなどの厄介なユニットを並べられてGGなんてことはよくある話です。赤単でも体力の高いユニットを多面展開して、そのユニットが処理されている間にまた次の多面展開を準備して、頃合いを見て太陽神なんか撃たれると普通に負けます。

 

まとめ

僕が惚れ込んだHBM期の電刃の姿はありませんでした。告知ポスターという新たな便利カードが追加されたことやオロチ対策など、やれることは増えたのですが、いかんせんネタが割れてしまっては対策を組むのが簡単な上、無理対面と呼ばれるものの数が多いんですよね。確実に、1位を取れるデッキではないと思いました。これはあくまで僕のリストでの電刃のプランと対策の話なので、リュウと救出の銃撃を採用した型やヴァジュリーラを採用した形はまた別だと思います。僕はあれらの形は窮屈な場面が多く発生し、弱いと思ってるんですけどね。電刃の付与選択肢減るやんって笑

 

兎にも角にも、電刃は覇権を取るほどの強デッキではないと思いました。問題は電刃という存在が環境に悪影響を及ぼすことなんですけどね。しっかりと対策すれば普通に勝てるので、やりたいこととやられたくないことを理解して試合に臨みましょう。多分今後は暇つぶし程度に電刃を握って、ガチデッキの視野に入れないと思います。

 

なんとか予選に間に合いました。皆さん頑張ってください。

おやすみなさい。それでは、また。